Text by SAKUMA
第三話
「でもさあ・・・」
麻理子はつぶやいた。
「こんな、全身あざだらけ、踏まれた足跡だらけ息も絶え絶えの少年を、さ」
「何ですか?麻理子さん」
「このままここに放置するわけにもいかないよね」
「結局、私らが運び出さなきゃいけない、って事ですよね」
「別に私たちが小学生リンチしたことが学校にばれても、おとがめはないけど」
「暴力女子大生のうわさが流れちゃイヤですもんね」
「どうやって運び出す?」
「こいつ、さっき汚いモノ発射しちゃって、半ズボンから流れ出してるんですよ」
「うかつに触ると、べたべたになるよ」
「私のジーンズのすそにもちょっと付いちゃってるんですよね」
「ほんとだ」
「このジーンズ、お気に入りなのに、このガキのせいで!むかつく!」
本庄亜由美は、スニーカーの足で僕の顔面を踏みつけた。
その後、僕は3日間学校を休んだ。
全身を殴る蹴るされた痛みが引くまで最低それだけの日数を必要とした。
本当は、もう一日休むつもりだったのだが・・・。
「いつまでずる休みしてんのよ、変態坊や!」
本庄亜由美の声だった。
すらりとした長身。一見清楚な、ルックス。甘い声。
こんな美少女があんな残酷な仕打ちを僕に・・・。
「か、勝手に部屋に入ってこないでくださいよ」
七歳年下の上級生に、僕はおそらく泣きそうな声で、言った。
「何?オナニーでもしようとしてたの?懲りないねえ、君も。
ねえ、おちんちん踏んづけられてそんなに気持ちよかった?
また、いつでも踏んであげるよ。ぐりぐり・・・ってね!」
その時、麻理子も部屋に入ってきた。
「ちょっと、亜由美ちゃん。あんまりうちの純情変態坊やを虐めないで」
「あ、すみませーん。こいつ見てると、つい虐めて虐めて虐めぬきたくなるんです」
「よかったね、潤。お願いしたら、またいつでも虐めてもらえるよ。
こんな可愛い女の子にいたぶられたら、潤みたいな変態はひとたまりもないね」
「びっくりしましたよ、私。マゾって本当にいるんですね」
「ほら、さっさと着なさいよ」
シャツと半ズボンを身につけ、靴下をはいていると、
背後から亜由美の蹴りが入った。
「なに、もたもたしてんのよ。いらいらするわねえ」
「す、すみません・・・」
やっとの思いで制服を身につけ終わった僕は、
亜由美に首根っこをつかまれ、引きずられるようにして家を出た。
麻理子は、その様子を見ながら、にやにや笑ってる。
「ど、どこへいくんですか!」
学校とは別方向の、人気のない空き地に連れて行かれるのに気づき、僕は慌てた。
空き地につくと、麻理子がジーパンのポケットから、何かを出した。
手錠!
「何するんですか!」
「うるさいわねえ、黙ってなさい!」
抵抗したが、腕力でかなうわけもない。
あっという間に、後ろ手に手錠をかけられ、口にガムテープを巻かれた。
そして、今度は亜由美が木製の壁際に僕を突き飛ばした。
全身を壁にぶつけて、僕は地面に倒れ込んだ。
亜由美は歓声を上げた。
「すごーい!泣きそうな顔してますよ、こいつ」
麻理子は答えた。「蹴り甲斐があるね」
「殴り甲斐もありますね」
「いい、亜由美ちゃん。絶対殺しちゃだめよ、あくまで"半殺し"ね」
「わかってますよお。大事なおもちゃ、壊しちゃったら大変」
「じゃ、はじめる?」
年下の美少女二人の、潤に対する暴力は壮絶なものだった。
ただでさえ、チビで、腕力も彼女たちとは比較にならない潤。
なのに、両手に手錠までかけられて、抵抗のすべもない。
助けを呼ぶ声もあげられない。
この二人が、街を歩いていて、
誰がこんな残酷な仕打ちをする少女だと思うだろうか。
モデルのような長身、長い脚にスリムジーンズできめた、
12歳と15歳の美しい少女。
哀れな19歳の少年は、新しいエリート社会の何なのか。
犠牲者か?それとも・・・。
長身美少女に二人がかりで殴る蹴るの暴行を加えられた挙げ句、
強制的に射精を繰り返させられる潤自身にも、それはわからなかった。
犠牲者か?それとも・・・。
完
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